はたらく異世界ファンタジー最新刊が登場。今巻でずっと引っ張られ続けてきた天界と魔界の真実が判明。“神殺し”を依頼されている真奥、恵美の描写はそこそこに、エメラダや芦屋など周囲の人間の視点から改めて現状を再認識させるエピソードになっていました

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はたらく異世界ファンタジーもいよいよ佳境に!?
クライマックスへ向けて大きく話が動きだす

和ヶ原聡司が贈る電撃文庫の人気作『はたらく魔王さま』最新15巻を購入しました。

今巻ではエンテ・イスラ帰還後からずっと引っ張られてきた天界の秘密がようやく明らかに。クライマックスへ向けて新展開を予感させる一冊となっています。

はたらく魔王さま! (15) (電撃文庫)

魔王、ついに正社員!! ……になるための登用研修を受ける!
真冬の大騒動な第15弾!

ライラから異世界の危機について話を聞いた魔王だったが、悲願の正社員への登用研修が始まり、それどころではなかった。
魔王の留守中、千穂と鈴乃はアラス・ラムスのためクリスマスパーティーを企画していた。初めてのクリスマスに浮かれて靴下を大量購入するエメラダや、梨香のことを気に掛ける芦屋、母親が世界の危機に関係していてもまったく気にしない漆原たちをまとめあげ、パーティーを無事開催することはできるのか!?
天使たちの過去、天界の悲劇も明かされ、庶民派ファンタジーにまさかの新展開も!?

出典 Amazon商品紹介より抜粋

ついに明かされる天界と魔界の真実
真奥と恵美を動かした理由とは……!?

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「納得なんて、できません……」
千穂の静かな声が、生活の火の消えた二〇一号室に空虚に響いた。

出典 『はたらく魔王さま!』15 P18より抜粋

初っ端から真奥らが日本からいなくなってしまうという衝撃の展開。前巻ラスト、ライラの部屋を訪れた日からクリスマス、年始までを振り返って語られています。

本作では珍しく主役格の真奥・恵美の描写はそこそこに、クリスマスムードに浮かれるエメラダやまさかの外出を果たした(笑)漆原、梨香の様子を気にしてしまう芦屋など、周囲の人物の視点で構成されたエピソードとなっていました。キーワードは「幸せ」と「異種族間の恋」。特に後者は頭でっかちな魔王組に反して天使組の方が比較的柔軟な思考だったのが印象的でした。この辺は自身を「人」と認識できているかどうかの差もあるのかもしれませんね。

「イェソドを失い後退してしまった不老不死の技術のベースとなる遺伝子サンプルはシェキーナ、つまりセフィラ・マルクトだった。物質を司るセフィラだからなのか、そいつらは、不完全な不老不死を植えつけられて、飯を食わなくても死なない体になり、寿命が半端に伸びたと共に、様々な肉体変質を見せた。角が生えたり、翼が生えたり、尻尾が生えたり……心臓に貯えられるエネルギーが、聖法気ではなくなってしまったり」

出典 『はたらく魔王さま!』15 P286より抜粋

ガブリエル、そしてライラから語られる天界と魔界の真実。さらに随所で示唆されていたとおり、悪魔も人間であることが明らかに。

イグノラとサタナエルの顛末は、別の星での話しということからもSF色を強く感じるのですが、そんななかでも聖法気が普通に存在しているのがなんというかすごい違和感でしたね。以前ミキティがエンテ・イスラに未だ聖法気が存在するのはおかしいと話していましたが、地球よりも科学が発達していたイグノラの星でも聖法気が使われていたということは——? 彼女の星を犯した病も、もしかしたら偶然ではなくセフィロトが絡んでいたのかもしれませんね。

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「リミットは夏! 七月の東京のお盆だ。アラス・ラムス、俺はお前に、最高の誕生日プレゼントを贈ってやるぞ!!」

出典 『はたらく魔王さま!』15 P302より抜粋

そして時は冒頭に戻って新年に。筆者としては、ライラから依頼が出された時からどういった流れで魔王が動くのだろうと気になっていたのですが、アラス・ラムスの願いというこれしかないだろうという理由が用意されていました。個人的にこのシーンを回想で済ませているところに違和感を覚えるのですが……どこかでしっかり描写されるのかな?
魔王らは今のところ天界に攻め入るところまでしか考えていないようですが、ガブリエルはイグノラ討伐後の世界も魔王らに任せようとしているようにも伺えます。これはもう一波乱あるのかも……?

そしてとうとう地球人である千穂がエンテ・イスラに出向くという展開に。魔王たち的に、メタ的に言えば物語的にもずっと引かれていた一線がついに越えられ、物語は最終局面を迎えたのではないでしょうか。局所的ながらも人間と魔族が手を組んで事に当たる様も、クライマックスが近い事を予感させますね。

全体を通してみて、とにかく今巻は新展開へ向けて土台を整える巻になっていたように思います。読み始めた頃にはまさか宇宙に飛び出すとは思いもしなかった(笑)本作。今後がとても楽しみです。

総評

クライマックスが近い事を予感させるエピソード

今巻では天界の真実や悪魔の正体など、これまで張られていた伏線が回収。さらに千穂の異世界遠征や人間と悪魔の共闘などこれまで溜めていたものが一気に吐き出されており、次巻からの新展開を期待させる一冊となっています。

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