葉山と雪乃、結衣の噂もひと段落し、総武高校はバレンタインムードに。それぞれの思惑からバレンタインお菓子教室を開催することになった奉仕部だったが—— 特典小説「a」シリーズも今巻をもってついに完結!あの日、あの時、あの場所でありえたかもしれない可能性が描かれています

スポンサーリンク

特典小説「a」シリーズがついに完結
本編と比較して各キャラクターがさらに一歩踏み込んだ描写に

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第7巻(初回限定版)(渡 航書き下ろし文庫小説同梱) [Blu-ray]

TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』のBD&DVD7巻を購入しました。

昨年10月に公開された「俺ガイルFes!」のダイジェスト映像がが収録されているほか、特典小説aシリーズ最終巻となる『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(r)』が付属されています。

描かれるのはあの日、あの時、あの場所でありえたかもしれない可能性
彼ら、彼女らの本物はどこにある?

むず痒い沈黙が続いていた。
耳に届くのは困ったような吐息ばかり。それが俺のものか彼女のものかは判然としない。その吐息を漏らすタイミングが重なると、互いに顔を見合わせてしまう。
「あはは……」
目が合ってしまった気まずさを誤魔化すためか、由比ヶ浜がはにかむように笑う。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(r)』P05より抜粋

「e」巻ラストの直後からスタート。噂の解消という建前で身を寄せあう八幡と結衣が描かれます。このあとの展開からも読み取れますが、やはり本編の保健室の描写はかなり大きいターニングポイントになっていたように思えますね。

「……そうやって外堀を埋められるのって、男子的にはどうですか?」
「どうって、なにが」
「いえ、今まさに埋められている感想を聞いてみたいなと」
言って、にやっと意地悪そうな笑みを浮かべる。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(r)』P135より抜粋

物語はそのまま本編11巻のバレンタインイベントに突入。大まかな流れは同じものの、各キャラクターのセリフが本編よりも直裁的なものに変更。とくにいろはのセリフにより顕著に表れていました。

「友達に渡すくらいはするわ」
そう言って、雪ノ下はふっと微笑んだ。
〈中略〉
「……そっか。雪乃ちゃんは、そうするんだね」
雪ノ下陽乃はくしゃりと顔をゆがめて、彼女もまた笑った。陽乃さんの微笑は初めて見た。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(r)』P159より抜粋

一歩引く雪乃と、どこか諦念を匂わせる陽乃は花火大会の時の「また選ばれない」というセリフを思い出してしまいます。

「ずっと、ちゃんと渡さなきゃって思ってたの。……あたしが自分でやってみるって言って。自分なりのやり方でやってみるって言って。それがこれなの」
言うと、由比ヶ浜は胸を張り、明るく微笑んで見せる。
「……今度は、お礼じゃないよ」

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(r)』P229より抜粋

本編とは異なる理由で渡され、受け取られるクッキー。あの日、あの時、あの場所でありえたかもしれない可能性……であれば本編の彼ら、彼女らはどのような答えを出すのでしょうか。

 

 

というわけで、「a」シリーズ、もとい「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。another」完結です。

これまでいろいろ考察めいたこともしてきましたが、蓋を開けてみれば各所の予想通り「結衣ルート」。いや、正直筆者的にはあまり納得できていないところも結構あって。もちろんaからrまで通して読めば八幡と結衣の関係に描写が割かれているのは明白なのですが、一方で雪乃の“病巣”や八幡の「本物」がスポイルされているようにも感じられました。

「r」巻で描かれていたものが本当に彼の求める「本物」であれば本編であんな拗れかたはしないし、aシリーズでの本編との変更点は彼女の“病巣”を解消するものではなかったでしょう。
結衣がクッキーを、おそらくわざと失敗させたかのような素振りや合間の彼女たちの独白である程度の補完はされているものの、それで十分かと言われると……。

なので、個人的にaシリーズは「渡航が描くやさしい俺ガイル」というほうがしっくり来るかなーなんて思ってます。まだ一回読んだきりなので、これから読み返したり、12巻の内容次第では感想も変わってくるかもしれませんが……。

筆者としては最終的に少しモヤモヤが残ってしまったaシリーズではありますが、それでも約1年間、楽しませていただきました。
アニメも終了し(OVAはありますが)、残すは原作小説のみ。aシリ−ズとは異なる道を進んでいる彼ら、彼女らは本編でどのような答えを出すのでしょうね。

総評

IFな展開が描かれる一方、本編からスポイルされてしまった内容も

特典小説最終巻。11巻のバレンタインイベントでの一幕が描かれています。
aシリーズはそれ単体で見ればよく出来ているものの、雪乃の抱えている病巣などがおそらく意図的に伏せられており、原作本編を読み込んでいる人ほどモヤっとしたものを感じる内容になっているようにも思えました。

3
スポンサーリンク

関連商品