10月にはTVアニメも放送される人気作。謎解きよりもキャラクターに主軸が置かれていて、小説としての読み味は若干薄いものの、映像映えする内容になっています。

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事件を解決するのは探偵×検死官×変人!?
TVアニメ化も予定されている、角川文庫の人気ミステリー

10月にはTVアニメも放送される、太田紫織さんの人気作品『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』を購入しました。

本作は書籍投稿サイトに投稿されたWEB出身のライトミステリ小説。
高校生・館脇正太郎と「骨」に異常なまでの執着を見せるお嬢様・九条櫻子が、自身の周囲で巻き起こる事件を解決していきます.

櫻子さんの足下には死体が埋まっている (角川文庫)

北海道、旭川。平凡な高校生の僕は、レトロなお屋敷に住む美人なお嬢様、櫻子さんと知り合いだ。けれど彼女には、理解出来ない嗜好がある。なんと彼女は「三度の飯より骨が好き」。骨を組み立てる標本士である一方、彼女は殺人事件の謎を解く、検死官の役をもこなす。そこに「死」がある限り、謎を解かずにいられない。そして僕は、今日も彼女に振り回されて…。エンタメ界期待の新人が放つ、最強キャラ×ライトミステリ。

出典 Amazon商品紹介より抜粋

キャラクターに主軸が置かれたライトミステリー
現代風にアレンジされた「ホームズ」のような一作

シリーズ1作目となる本書は三つのエピソードによる短編集。

エピソードの作り方が一定のフォーマットに沿った法則性のある作りになっていたり、謎解き部分よりも正太郎や櫻子、事件に関わっているキャラクターの心情に寄せているところなど、ミステリー作品というよりは刑事ドラマに近い雰囲気になっています。

読んだ印象として最初に浮かんだのが「ホームズ」、次いで「ビブリア古書堂の事件手帖」。
語り部となる館脇正太郎が聞き役となり、探偵役である九条櫻子の推理で物語が進んでいく構成です。

短編構成なことから軽く読める内容になっていて、普段あまり読書をしない人でも気安く手に取れる作品になっています。

しかし、「ホームズ」はさておくとしても、「ビブリア」と比べると語り部である正太郎の魅力が若干伝わりにくい。なんというか「薄い」んですね。正太郎は櫻子がいて初めて成り立つキャラクターというか……櫻子は櫻子で、キャラクターは強烈なものの、彼女一人で物語を動かせるようような立ち位置ではないため、どちらも主役な感じがあまりしませんでした。この辺りは正太郎の一人称で物語が進んでいることも要因の一つかもしれませんね。

上記の理由に加え、基本的に登場するキャラクターは2人以外はゲストなことから読み味も薄く、読後感が中途半端でイマイチ読み終わった感じがしなかったです。
タイトルにある「死体」や「骨」にまつわる雑学や、舞台となる北海道の風景描写など読んでいてところどころ惹かれる部分もあったのですが、シリーズ1冊目として出すのであれば短編集ではなく1つの大きいエピソードを扱って、メインキャラクターの2人をしっかりと描いた方が良かったんじゃないかなぁと思いました。ただ、映像映えする作品にはなっていると思うので、アニメで観たときにどのように印象が変わるのか楽しみです。

ともあれ、これは正太郎と櫻子しか描かれていない1巻の評価。今回は名前のみの登場だった櫻子の許婚・在原や、正太郎の同級生など、1巻では未登場のキャラクターが出てくればまた印象も変わるでしょう。次巻以降の展開に期待したいと思います。

総評

ミステリ風味のキャラ小説。主人公のキャラ立てが課題か

ライトミステリ、と謳ってはいますが、ミステリー要素は薄くキャラクターに物語の主軸が置かれた作品。
短編構成ということもあり軽く読める内容にはなっているものの、それだけに読み味が薄い仕上がりになっている印象を受けました。
次巻以降のメインキャラクターの掘り下げに期待したいですね。

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