オフシーズン開幕!老倉育・神原駿河・斧乃木余継が語り部となり、各ヒロインの「失敗談」を描いた番外編的作品となっています。

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〈物語〉シリーズ最新刊は短編集!
三人の愚かな女子による失敗の物語

西尾維新さんの人気作〈物語〉シリーズ最新刊『愚物語』が10月6日に発売されました。

“オフシーズン”となる本作では、老倉育・神原駿河・斧乃木余継の視点で語られる3編の“第零話”が収録されています。

そだちフィアスコ

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誰派やねん。誰のために、誰の影響を受けて、誰の価値体系に基づいて、こんなふざけた真似をしよんのじゃ。金切り声で、執拗にそう問い続けられ、私はうんざりした思いで、適当に答えた。
 阿良々木派よ。

出典 『愚物語』P147より抜粋

直江津高校から転校した老倉が、新天地で友達を作ろうとするエピソード。
一口に言ってしまうとそれまでのお話でしかないのですが、終始鬱々とした老倉の語り部で物語が進んでいくので、明るい要素はゼロ。

特に注目したいのが、この「そだちフィアスコ」では会話が一切ないところ。文中にカギ括弧は一切存在せず、転校して環境が変わった今でも彼女はまだ「引きこもり」であるということが如実にわかります。もっと言えば、もしこのエピソードに暦が登場したなら、彼のセリフは括弧で括られているであろうことが容易に想像できてしまうのが面白いですね。

ラストシーンを見るにまだまだ彼女の受難は続きそうですが……果たしてこのお話に第1話が作られることがあるのでしょうか。個人的にこの「そだちフィアスコ」が、3編の中で一番続きが読みたいエピソードでしたね。

するがボーンヘッド

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「僕はなにも知りませんよ−−あなたが知っているんです、駿河先輩」

出典 『愚物語』P174より抜粋

花物語の後の時間軸、忍野扇(男)とともに新たに発見された悪魔の左手を捜索するお話。「おうぎフォーミュラ」のようなミステリー色の強いエピソードとなっています。

本作は、「そだちフィアスコ」とは打って変わってギャグ多め。語り部の神原も「花」のようなシリアス調ではなく、より「化」時代に近い描写になっていたように思います。

また、以降のオフシーズンで語られるであろうエピソードの伏線が数多く張られているのが印象的でした。
そういえば、今回のエピソードで扇くんと扇ちゃんが共通の存在であることが示唆されていましたね。筆者的には別個だと思っていたのですが、やっぱり『続・終』の騒動が原因だったりもするのでしょうか……?いや、上記に抜粋したセリフからも、扇くんは神原が産み出した怪異であることは間違いないと思うのですが……このあたり、次巻以降で説明が入れば嬉しいですね。

つきひアンドゥ

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「もっとも私は正義そのものなんだけどね! えへへへ!」
正義そのものでもないよ。
災厄そのものだよ。

出典 『愚物語』P247より抜粋

余継の正体が月火にばれちゃうお話。
タイトルヒロインは月火ですが、余継の語り部で物語が進行します。

今回描かれた月火の不死体質のあれこれは、むしろそういうものだと思っていたので驚きはなかったのですが、そこよりも怪異の兄妹に挟まれて尚「人間」のままな火憐が希少であるという評は、言い得て妙というか、目から鱗な感じでした。ただ、アナフィラキシーショック云々のくだりはきっと後付けですよねw

本作のラストでは神として活躍する真宵も登場するので、真宵ファンは必読ですよ!

というわけで、ついに新シーズンがスタートした〈物語〉シリーズ。今回は番外編的な内容でしたが、次巻『業物語』では「するがボーンヘッド」で語られていた羽川のアレコレが描かれたりするのでしょうか。アニメ「終物語」や劇場版「傷物語」を堪能しつつ、楽しみに待ちたいと思います。

総評

老倉・神原・余継が語り部となった番外編的エピソード

ファイナルシーズンを経て、オフシーズンと称される本作。
阿良々木暦は登場しませんが、収録された3編どれもこれまでと変わらぬ読み応えで、改めて西尾作品のキャラクターの強さを再確認できました。

今回は番外編的な内容だったものの、新たな騒動の伏線が張られていることもあり、まだまだシリーズは続きそう。
ファイナルシーズンまでのちゃぶ台をひっくり返すようなことにならないと良いなと思いつつ、それでも次巻が楽しみです。

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