「ダンまち」の人気スピンオフ『ソード・オラトリア』待望の新刊が発売!仲間の負傷で18階層に留まることになったロキファミリアと、階層主から命からがら逃げ出したベルたちの束の間の邂逅を描いています。
ダンまち外伝最新刊は息抜き回
ロキファミリアの視点で語られる“ダンジョンリゾート”でのひと騒動
人気ライトノベル「ダンまち」の外伝小説『ソード・オラトリア』最新5巻が10月15日に発売されました。
本編5巻、“ダンジョンリゾート”でのベルとアイズの邂逅が、ロキファミリアからの視点で描かれています。
ベル&レフィーヤが「新種」と激闘!?
本編5巻では描かれなかった裏側を描く
少年の成長の秘密は、自分達が今まさに敵対している勢力、白髪鬼が言っていた『彼女』によるものではないか。
その異常な成長力に目を付け、ロキはヘスティアに探りを入れている。
(ほんまに、一応、やけどな)出典 『ソード・オラトリア』5 P60より抜粋
ロキの視線で語られる本編4巻の「神会」。悪態をつく一方でヘスティアを認めているところが見え隠れしたり、外伝1巻のフレイヤとの密約がここで生きてきたりと、基本的な流れは本編と変わらないものの、見所は多かった印象です。
「本題なんだけど、『アリア』っていう精霊を知っている?」
「精霊『アリア』、ですか?英雄アルバートの生涯に寄り添った、迷宮神聖譚の大精霊?」
「そうそう、それそれ」
ティオネの質問に淀みなく答え、ティオナが嬉しそうに肯定する。出典 『ソード・オラトリア』5 P136より抜粋
童話の一節から明かされる、アイズの出自の一片。クロッゾの一族のアレコレやベルの童話好きという設定が活きていて、うまく纏められたシーンでしたね。とはいえ明かされたのは未だ精霊の血を引いているということのみ。前巻ではゼウスファミリアとの関係も示唆されていますが、やはり知らないところでベルと関わりがあったりもするのでしょうか……?
それにしても、着実にティオナとのフラグが立ちつつあるような……。ヘスティア、エイナ、リリに続いてゆくゆくは彼女の「ハーレム」入りもあり得る?万が一ティオナがティオネみたいな嫉妬の権化になったら面白いかもですねw
(む——無詠唱!?)
未だかつて見たことのない、知識にも存在しないその『魔法』にレフィーヤは驚倒する。
詠唱の無視。『速攻魔法』。
炎雷の連射砲——まさかの『魔法』の連射。
——出鱈目だ!?出典 『ソード・オラトリア』5 P228より抜粋
ベルとレフィーヤがまさかの共闘。速攻魔法やバフスキルなど、レフィーヤを通して改めてベルのチートっぷりを再確認する展開になっています。この一件でレフィーヤはベルを改めてライバルとして認めることになったわけですが、本編参戦はあり得るのかな?
今回ベルが新種を戦ったことを考えると、いつかは本編と外伝のストーリーが合流する時がくると思うのですが、果たして……?
(フィルヴィスさんより、リッ、リヴェリア様より……!?)
覆面の冒険者の『並行詠唱』の精度は、純粋な後衛魔導士であるリヴェリアのそれより、遥かに鋭く、速く、苛烈であった。出典 『ソード・オラトリア』5 P246より抜粋
本編5巻同様、無双っぷりがハンパないリューさん。並行詠唱の技術はリヴェリア以上という、改めてとんでもない実力が明らかになったわけですが、ステイタス更新ができたならどこまで強くなるのか……。アストレア帰還→レベルアップしてベルを助太刀、なんて王道展開の可能性もあるかもですね。
あとがきでも書かれていたように、激しいバトルが続いた前巻までとは違い、今巻は骨休め的な内容でした。ただし、アイズの出自やベルと「新種」の戦い……さらにラストでは黒いゴライアス出現時の裏側など、これから先の展開を読んでいく上で必要な情報が多かったように思います。
個人的に気になるのはやはりアイズの出自。ゼウスファミリアと関係があることがほぼ確定となっていることから、一部ではベルとアイズは姉弟なのでは、という噂も出ていますが、真相が明らかになるのはもう少し先になりそうですね。筆者はヘスティアよりもアイズ派なので、そんな形での失恋は見たくないのですが……。
あとがきによると次巻はアマゾネス姉妹が主役となる模様。ということはウォーゲーム編はもう少し先になるのかな?今回同様に本編キャラの登場にも期待したいですね。
総評
本編では描かれなかった裏側や新たな伏線など、息抜き回ながら見所が満載
今回は、激闘が続いた前巻までとは対照的な息抜き巻。しかし、本編では描かれなかった裏側や補足的なエピソードなど、続刊を読んでいく上で必要になるであろう情報が満載で、見所の多い一冊になっています。