松岡圭祐が描く新しい“殺人のないミステリ”が登場!文科省・タスクフォースに所属する一般職員の水鏡瑞希を主人公に、不正研究や結果の捏造を暴いていきます。

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霞が関を舞台に繰り広げられる爽快な知恵比べ
松岡圭祐が贈る“殺人のないミステリ”最新作

松岡圭祐さん原作『水鏡推理』を購入しました。

文科省所属の特別編成チーム「タスクフォース」に配属された事務官・水鏡瑞希がその突出した頭脳と観察眼で不正研究を暴いていく様を描いています。

水鏡推理 (講談社文庫)

『万能鑑定士Q』『探偵の探偵』に続く、松岡圭祐による新シリーズが講談社文庫にて開幕! 面白くて知恵もつく「殺人のないミステリ」。

正義感を発揮するあまり組織の枠をはみ出してしまう文科省新米女性一般職・水鏡瑞希(みかがみみずき)。役所は彼女をもてあまし、研究費の不正使用を調査する特別編成チームに配属する。税金目当てに悪事がうごめく臭いに敏感に気付く瑞希。彼女はエセ研究開発のねつ造を見破れるか? 抜群のひらめきと推理力が霞が関を震撼させる、美女公務員の下剋上エンタテインメント!

出典 Amazon商品紹介より抜粋

水鏡瑞希の「判断推理」が冴え渡る!
浮き沈み激しくカタルシスに溢れた一冊

本作は同原作者による人気作「万能鑑定士Q」と同じく“殺人のないミステリ”。構成もどこか似通っており、Qシリーズでも見られたちょっとした雑学や、近年話題になった事件などがストーリーに関わってきます。

「万能鑑定士Q」の凜田莉子がロジカルシンキング、「特等添乗員α」浅倉絢奈がラテラルシンキングを得意としているのに対し、本作の主人公は「判断推理」を武器に事件を解決していきます。
この判断推理というのは公務員試験などで出題されるもので、すべての条件を事実と仮定した上で矛盾点を探す思考法。筆者はこの手の問題は苦手で本書の謎解きもさっぱりだったのですが、ちょっと勉強してみたくなりました。現在「水鏡推理」特設サイトにて判断推理の問題が提示されていますので、興味のある方はやってみてはいかがでしょうか。

物語としては大きな一つの事件を追うというものではなく、複数の事件を解決しつつ大筋につながっていく構成に。事件一つ一つにきちんと盛り上がりどころがあり、解決しながらタスクフォースが変わっていく様は非常に爽快で、読後感もすっきり。瑞希の過去やタスクフォースの有り様など細かい所に伏線が張られており、アップダウンの激しい展開はカタルシスに溢れています。

ただし、全体的に駆け足でストーリーが進んでいくのでこれをテンポがいいととらえるか描写不足ととらえるかは賛否分かれそう。筆者も人間模様の変化がちょっと唐突に感じました。南條や蒼唯が変わった理由も、瑞希と翔馬が互いに惹かれ合う理由もわからないわけではないのですが、もしQシリーズのように長く続く予定があるのであれば、もう少し丁寧に描写しても良かったんじゃないかなーとも。一応巻末に次回作の刊行予定も書いてあったのですが、水鏡推理に続刊があるかどうかは不明なんですよね……。

本作はまさに第二のQシリーズともいうべき一冊。「万能鑑定士Q」ファンなら絶対に楽しめると思いますので、ぜひ読んでみてください。

総評

カタルシスに溢れ、読後感の良い一冊。駆け足な展開には賛否あるかも

「判断推理」を得意とする文科省の一般職員・水鏡瑞希の活躍を描いた一冊。

全体的な流れはQシリーズに酷似しているので、同著のファンなら確実に楽しめる作品になっています。
テンポよく物語が進み、各所に盛り上がりどころがあって読後感も良いですが、人間模様の描写が若干おざなりになっている感も。続刊が出ないのであれば止むなしですが、シリーズ化の予定があるならもう少し丁寧に描写しても良かったかもしれませんね。

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