葉山と雪乃・結衣の噂をなくすために話し合う八幡と葉山。「目を逸らしている」葉山の言葉を受けて、八幡は——? 本格的に本編とは違う展開を見せはじめた「a」シリーズ最新作が登場。のちの展開を変えかねない、大きな相違点が見られるターニングポイント的なエピソードです

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本編では実現しなかった「彼らの交渉」
葉山の内面をより深く描写する内容に

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TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』のBD&DVD6巻を購入しました。

俺ガイルFes!の裏側を知ることが出来る映像特典「やはりこの奉仕部はまちがっている。」第4話が収録されているほか、特典小説『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(e)』が付属されています。

「優しくない女の子は、もう嫌いではないけれど」
八幡の独白が暗示するものとは……?

期待なんてしたくないのだ。
だから目を逸らしていた。

本当は、欲しくなんてないのかもしれない。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(e)』P05より抜粋

シリーズ1冊目となる「a」巻同様「誰か」の独白で始まる「e」巻。
八幡とも葉山ともとれる内容になっていますが、最後のセリフから鑑みるに多分葉山なのかな……? この分だと次巻もまた誰かの独白が語られそうですね。

俺とあいつの間に理解はない。
あるのは、利害。
すべきことは対話ではなく、講和だ。互いに協定を結ぶために交渉をすることだ。
であれば、それにふさわしい場所を選び、こちらが提示する条件を示し、向こうから引き出すべき譲歩を考える必要がある。
逃げることを許されない勝負の場で、俺も葉山も目を逸らすことができない場面で、今度こそ明確な言葉をもって。
初めて、俺たちはちゃんと話をするのだろう。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(e)』P41-42より抜粋

「h」巻ラストでの葉山との一幕。そして本編にあった進路選択という建前がなくなったことで、八幡と葉山の関係がより明確に描写されている印象。
それはマラソン大会での「交渉」の場でもより顕著で、今回あった「いずれ先に行くのは君の方」という葉山のセリフは「a」シリーズだからこそ聞くことができたものでしょう。

「目を逸らせなくなった」八幡とは異なり、自身が全力で「目を逸らす・逸らさせる」ことで解決を図る葉山のやり方はベクトルこそ違えど八幡の初期のやり方にも似ているようで、やはり彼らは鏡合わせのキャラクターなのだな、と実感。今巻を読んで、改めて彼らの対比をしっかり描くための別シリーズなのかな、と思いました。

「別に、優しくしなきゃとか、そんなんじゃないんだけど……」
遠慮がちにそう言うと、由比ヶ浜はかすかに首を曲げて、俺を見る。ともすれば頬が触れそうな、漏らす吐息が混じりあうほどに近い場所。濡れた瞳はそっと伏せられ、頬が朱に染まる。
いつだって期待して、いつも勘違いして、いつからか希望を持つのはやめた。
だから、いつまでも、優しい女の子は嫌いだ。

——優しくない女の子は、もう嫌いではないけれど。

出典 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(e)』P77より抜粋

「e」巻ラストでついに本編との大きな相違点が。11巻の結衣の行動は、10巻の保健室での八幡と雪乃の会話を目にしたからというのも多分にあったと思うのですが、「a」シリーズではそれが覆された形になります。そして八幡の最後の独白は、奇しくも結衣の自身への評価と重なっています。
「a」シリーズは発表当初から結衣ルートの話になるのでは、と言われていましたが、今巻でそれが暗示されたということになるのでしょうか。それにしては描写が露骨すぎるような気も……。

ちなみに筆者的にヒロイン別ルート、というのは懐疑的で、「a」シリーズはあえて言うなら“八幡ルート”みたいな展開になるんじゃないかと思っているのですが、果たして……?

次巻はいよいよシリーズ最終巻。本編よりも先にラスト迎える「a」シリーズがどのような展開になるのか、今からとても楽しみです。

総評

本編との大きな相違点は、果たして「a」シリーズの最後を暗示しているのか

前巻に引き続き、八幡と葉山が深く掘り下げられた巻。
さらにこれまでとは違う、以降の展開を変えかねない大きな相違点が。葉山とは違う道を選んだ八幡がどのような答えを見せてくれるのか、最終巻が楽しみです。

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